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置賜あれこれ 赤湯温泉

第1話「立地、自然・四季」

 

赤湯温泉は、本州東日本の中心に位置する置賜盆地にあります。

盆地の周辺には日本百名山の吾妻山、飯豊山、朝日連峰、蔵王山が連なり、最上川の上流部となる川が流れています。

赤湯を中心とした半径100m以内には、空港や高速道路、幹線道路、新幹線、鉄道などがつながっていて、南東北の交通の軸でもあります。

 

赤湯温泉がある置賜は、四季の変化がはっきりとわかります。

朝晩は冷え込み日中は高温となる盆地特有の温度差で、白竜湖や最上川、山林の水分が朝つゆ夜つゆとなり、常時生命に潤いを与えます。

春は、雪解けから山桜やしだれ桜、さくらんぼやりんご、ラ・フランスの花が咲きます。

夏が始まると、さくらんぼや夏野菜が実り、夏祭りや盆踊りなどが各地域で繰り広げられます。

秋には、ぶどう狩やヌーボーワイン。稲穂がさわやかな秋の風にそよぎ収穫期を迎え、紅葉シーズンです。

そして冬。雪が舞い降り、新酒、新蕎麦の季節です。

正月から2月は雪のじゅうたんができ、春まで大地を休ませます。

 

 

第2話「開湯と白竜湖」

 

赤湯温泉の開湯は、1093年と伝えられています。

前九年の役、後三年の役で安倍一族や清原一族が滅ぶ源氏との戦いの後、奥州藤原氏の時代に移る頃、源氏の武士によって開かれたといわれています。

傷を負った武士が、湧き出る温泉でその傷を癒そうとしたところ、瞬く間に治りました。

傷の血でお湯が赤くなったことから「赤湯」と名付けられたと伝えられています。

 

また、東西の温泉番付では「最上米沢赤湯の湯」として東の関脇クラスに東北のトップレベルとして認知されるなど、保養と食を求める人々が集まる豊かな温泉街でした。

戦後の大型観光時代に大型旅館は少なくなりましたが、時代が変わり、今後は本物志向の個の時代。

置賜の歴史や自然、温泉源、それを支える住民のパワーで、地域の方、海外の方を迎えていくことで、人気上昇の可能性があります。

 

白竜湖は、源泉の湯脈に関わっていると考えられています。

周辺整備や保全のための開発希望が、住民から県に提案されてきました。

白竜湖の湖面が小さくなり水量が減ってきていますが、これにより赤湯源泉の湯量に影響が出るかどうかは、地質学や自然環境などから専門的な調査によって判断を仰ぐしかありません。

 

 

第3話「源泉システムと湯河原源泉」

 

温泉源には限りがあるため、無駄のない活用の仕方で地下に負担をかけないようにする必要があります。

置賜盆地は、昔大きなカルデラ湖でした。

現在の赤湯温泉街は海抜214mで、それよりも少し低い位置にある白竜湖には、常に水が溜まり地中に浸透していると考えられています。

地下の3本のマグマの亀裂があり、そこで水が温泉になり、赤湯温泉街地下に移動、湯溜まりを作ります。

地下約400mから1分間に60度、800リットルあげられています。

赤湯温泉は、注水方式というシステムがとられています。

地上のある地点から、温泉を守る壁を維持するための水が、常に地下に注水されています。

 

湯河原源泉

2011年3月11日の東日本大震災の影響で、予備源泉ともなっていた「えぼし源泉」が地殻変動で完全にストップしてしまいました。

市が掘削の許可を県に申請し、旧赤湯小学校のグラウンドにて「湯河原源泉」を発見。

2016年4月から公衆浴場「えぼしの湯」、「赤湯元湯」に供給が開始されました。

 

 

第4話「源泉供給システム」

 

昭和25年、赤湯温泉は各旅館の固有源泉を中止し、町の源泉として集中管理に切り替えました。

それ以来、市民の温泉として活用されています。

温泉の利用は、公衆浴場、温泉旅館、市長が特別に許可する公的な活用(お祭りの足湯など)、医療福祉の4種類です。

 

赤湯温泉は、旅館組合が中心となり「外湯めぐり手形」を宿泊客の皆さんに渡し、温泉街の飲食店などと連携して観光案内を進めています。

また、高い入浴効果のために温泉入浴指南書を進めています。

これからの滞在型の温泉保養の充実のため「医療観光、福祉観光」のプランも検討しています。

 

 

第5話「赤湯温泉郷としてこれからの考え方」

 

今後の赤湯温泉郷として、世界有数の安全で高質な源泉を持つエリアのため、温泉郷を維持するとともに魅力を研ぎ澄ませ施策繰り返しうち、日本内外に大きく貢献していくスタンスをまとめています。

また、海外の地から見て置賜を考えると、自然環境や歴史文化の面などから民俗学的にも貴重な価値を感じます。

地理的立地は、北緯35度、海抜214m、百名山に囲まれ、白竜湖を軸にしたパワースポットで、交通アクセスについては、人や物流の結節点となっています。

米沢牛、稲作、果物などの農業実践、6次化がすでに始まっています。

温泉はPH7.4の弱アルカリ性で、入浴と飲泉ができ、源泉温度は60度、かけ流しに最適です。

痛風や糖尿病、皮膚病、産前産後の疲れも癒します。

また、歴史や産業、スポーツ、教育、住民の強いネットワークが形成されています。

この特徴を生かし、地域や世界から多くの人々が集まり、地域の皆さんと交流しながら滞在を楽しめるように魅力アップを図っていきたいと思います。